第1号 今週の提言
- yuzhashicbridges08
- 1月20日
- 読了時間: 4分
「“専門家にまかせっきりの事業承継対策”はリスク大」
〜社長自身が“わかる”ことからすべてが始まる〜
その第 1 歩が自社株評価
私は銀行員時代を含め、21 年間、数多くの中小企業の事業承継の現場に立ち会ってきました。
その中で何度も見てきたのは──
税理士や銀行員から提示される株式評価書や承継スキームを前にして、
曇った表情を浮かべる社長たちの姿です。
いくらプロの手による評価であっても、「それがどういう意味なのか」を本人が理解していなければ、経営者は不安を拭えません。納得しないままでは、決断も行動もできないのです。
経営者にとって事業承継とは、「誰に何をどう託すのか」という、経営の未来を左右する重大な判断です。にもかかわらず、そのスタートラインである「自社株の評価」すら他人任せのまま──
そんな状態で、本当に前に進めるでしょうか?
私は断言します。
事業承継の第一歩は、社長自身が「評価の基本」を知ることです。
自社株の価値がどのように算定されているのか。
その評価が、税務・法務・M&A・資本政策にどう関わるのか。
基本を理解して初めて、「数字」が“自分ごと”になり、「意思決定」へとつながります。
事業承継を取り巻く経営環境の変化いま、日本では少子高齢化が加速度的に進んでいます。
中小企業にとって、その影響は深刻です。
地方では人手不足が常態化し、若年層の採用は困難を極めています。
既存の従業員も高齢化し、生産性や現場力の維持が難しくなっています。
一方で、後継者不足は深刻化しています。
せっかく優れた技術やノウハウを持っていても、後を継ぐ人がいないことで、黒字でも廃業せざるを得ない企業が増えています。さらに、国内市場は縮小の一途をたどっています。
高齢化による消費構造の変化、物価高騰、人件費や原材料費の上昇、円安による輸入コストの増加──
こうした複合的な要因が、企業の経営を確実に圧迫しています。
もはや、「現状維持の延長線上」に会社の未来を描くことはできません。
これまでと同じことを続けていても、いずれ限界が訪れます。
では、企業がこの厳しい時代を乗り越え、生き残るために何が必要なのか?
答えは「成長戦略としての事業承継」
事業承継は、決して“引退の準備”ではありません。
それはむしろ、会社をもう一段階成長させるための戦略のスタートラインです。
次の世代がより高い視点で経営に挑むためには、
今のうちに「事業承継を起点とした経営改革」が必要なのです。
たとえば──
• 株式構成を見直し、ガバナンスを再構築する
• 組織再編(会社分割・株式移転・持株会社化)を行い、成長の器を作る
• 外部資本を活用した資金調達により、次の投資フェーズへ備える
• M&A や IPO という選択肢を現実のものとして捉える
これらはすべて、「事業承継を戦略として捉える」ことで初めて視界に入ってくる選択肢です。
その出発点として、まずは社長自身が自社の現在地を正確に把握することが必要です。
・自社株の税務評価はいくらか?
・現状の株主構成にリスクはないか?
・仮に M&A 市場で売却するとすれば、どの程度の価値がつくのか?
これらの問いに、ある程度の理解をもって答えられる状態をつくること。
それが、未来をデザインするうえでの“最低限の準備”です。
本気で、未来と向き合うとき
「会社を次にどうつなぐか」──この問いに向き合うことは、単なる相続の話ではありません。
それは、会社の存在意義、組織の可能性、そして経営者自身の覚悟に直結するテーマです。
中小企業の多くは、社長の意思一つで未来が大きく変わります。
だからこそ、「事業承継=成長戦略」と捉え、早期から準備を始めることが何より重要なのです。
会社の未来を守るために。
そして、次の成長ステージへと歩を進めるために。
そろそろ本気で、“事業承継”に向き合いませんか?


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